お知らせ 2 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 6月 14, 2025 りとむ旧ホームページ掲載の巻頭エッセイ(2020年1月から2024年3月まで)の当ブログへの転載は、ほぼ完了しました。ただし、リンクが外れたためか見いだせないエッセイがふたつあって捜索中です。次は、旧HP「万葉カフェ」(文:寺尾登志子)を順次掲載いたします。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
このブログについて(お知らせ1) 5月 11, 2025 りとむ短歌会の旧ホームページが更新不可になりましたので、旧ホームページの掲載記事を保存し、順次当ブログに転載いたします。 旧ホームページの掲載記事の移行が完了したあとは、新ホームページのバックナンバーを随時掲載する予定です。 当ブログへのご感想はコメント欄にお願いいたします。 続きを読む
(旧HP万葉カフェ8)2020年4月 6月 24, 2025 年齢を重ねてありがたいと思うのは、振り返る時間の堆積に厚みが増した ことです。日々刻々と変容する外界に、心身が追いつけなくなってゆく代償 の果報でしょうか。来し方は感傷だけでなく、心細く不安な現在に揺らぐ心 の、自分だけのささやかな添え木のようにも思えるのです。 万葉集に触れたのは半世紀前、高校の教科書で出会った次の一首が、 その後連綿と続く万葉追慕のきっかけとなりました。 君が行く道の長手を繰り畳(たた)ね焼き滅ぼさむ天(あめ)の火 もがも 巻十五・3724 作者は狭野弟上娘子(さののおとかみのをとめ)、弟上でなく茅上(ち がみ)と伝える本もありますが、私の記憶には「弟上」で刷り込まれています。 一読して激しさにショックを受けました。 「あなたが行く道の、その長い距離をたぐりよせ、焼き滅ぼしてしまう天の 火が欲しい!」と天に拳を振り上げ、切なさのあまり泣き叫ぶ女人の姿が目 に見えるようです。 「君」とは官人の中臣朝臣宅守(なかとみのあそみやかもり)、娘子も下級 の女官でした。目録(目次)によれば、宅守は娘子を娶ったとき勅勘を蒙り 越前へ流罪となりました。新婚の夫婦が都と越前の配所に生き別れ、悲嘆 の贈答歌が交わされ、巻十五は後半部にその63首を載せています。 天平11年(739)の事件ですが、宅守が何のために流罪となったのかは 分かりません。二人の結婚自体が、禁忌に触れるものだったとする説もあり ますが、娘子は天皇に仕える采女(うねめ)ではなく、律令体制が産んだ当 時のキャリアウーマン的存在ですから、何ともいえません。 新婚早々の二人は、今でいう国家官僚の共働きカップルです。新婚の 悲劇は当時宮廷内で評判となり、二人の歌群は後宮の女官たちなどの紅 涙を絞ったのではないでしょうか。 取りあげた一首は、歌群冒頭で夫との別れに臨んで歌われました。この歌、 万葉出... 続きを読む
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